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1.2リッター&FFのプジョー208が格上の4WD相手に大暴れ! 軽量を武器に全日本ラリーで「ジャイアント・キリング」を成し遂げた

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1.2リッター&FFのプジョー208が格上の4WD相手に大暴れ! 軽量を武器に全日本ラリーで「ジャイアント・キリング」を成し遂げた

 この記事をまとめると

■全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州」が開催された

「レーサー」は天才! 「ラリースト」は神! レーシングドライバーが語る「ドッチが速い」論争の結論とは

■プジョー208 Rally4で参戦する新井大輝選手に注目

■「ジャイアント・キリング」と呼ぶに相応しい活躍を見せた

 格上の4WDモデルを凌駕する速さを見せた!

 全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州」が2023年4月14日~16日、佐賀県唐津市を舞台に開催。最高峰のJN1クラスでは国際規定モデルのR5/Rally2仕様車と国内規定のJP4仕様車の4WDモデルが激しいタイム争いを展開していたのだが、そのなかに混じって一台の2WDモデルが猛威を発揮していた。

 その一台とは新井大輝の「プジョー208 Rally4」で、わずか1200ccのターボエンジンを搭載したFFモデルながら、新井×208 Rally4は1600ccや2000ccエンジンを搭載した格上の4WDモデルを凌駕するスピードを見せていた。

 新井×208 Rally4は初戦となった第2戦の新城ラリーでも素晴らしい走りを披露していた。とくに雨に祟られたレグ2ではSS8の「NUKATA 1」で2番手タイムをマークするほか、SS10の「ONIKUBO 2」でも3番手タイムをマーク。惜しくも表彰台には届かなかったものの、4位入賞を果たしたことは記憶に新しい。

 その勢いはツール・ド・九州でも健在で、雨に祟られたレグ1ではSS4「SANPOU 2」およびSS6「HACHIMAN 2」で2番手タイムをマークしたほか、SS5「UCHIURA 2」で3番手タイムをマークし、総合2番手でレグ1をフィニッシュ。好天に恵まれたレグ2は「完全なウエットか、ドライなら走りやすいんですけどね。タイヤ選択を誤ったし、スペアタイヤを2本積んだことでバランスも悪かった」と新井が語るように、路面が乾かずにセミウエットのような状態でラリーが争われたほか、タイヤセレクトを誤ったことで失速し、ポジションダウンを喫したが、それでも3位に入賞し、表彰台の一角を獲得した。

 軽量モデルならではのフットワークを活かして林道を攻略

 Rally4仕様車は国際規定モデルとはいえ、前述のとおり、エンジン排気量は1200ccに過ぎず、改造範囲も狭いことから、「トヨタGRヤリスRally2」や「シュコダ・ファビアRally2」、「シュコダ・ファビアR5」といった1600ccエンジンを搭載した4WDモデルのR5/Rally2仕様車やVAB型WRXをベースに開発された2000ccのターボエンジン搭載の「スバルWRXラリーチャレンジ」と比べるとパフォーマンス不足は否めない。

「同じRally2でもルノー・クリオのほうがエンジンのパワー感があるんですけど、きちんとセッティングを出さないと走れない。その点、プジョー208はパワー感がないけれど、本当に乗りやすいので、ドライバーのほうでアジャストできます」と新井はポジティブにインプレッションしていたが、格上のマシンと同じ土俵で戦うことは厳しかったことだろう。

 それでも新井×208 Rally4は新城ラリーおよびツール・ド・九州で素晴らしい走りを披露した。まさに、『ジャイアント・キリング』と呼ぶに相応しい活躍だが、その原動力となったものが、208 Rally4のライトウエイトにほかならない。エンジンパワーはないものの、軽量モデルならではのフットワークを活かして日本の林道を攻略。同時に新井は丁寧なドライビングをおこなっていたが、このロスを減らした新井のスキルも賞賛に値するだろう。

 こうして第2戦の新城ラリーと第3戦のツール・ド・九州で目覚ましい飛躍を遂げた新井×208 Rally4は第5戦のラリー丹後、第8戦のラリーハイランドマスターズに参戦する予定。新井によれば「もともとグラベルのキットを用意していないので、ターマックに絞って参戦します。久万高原ラリーはマシンのメンテナンスのためにスキップしますが、残りのターマックでは昔のF2キットカーのように、はまれば勝てる……というところを見せたい」とのことだ。

 1999年のWRCでF2キットカーのシトロエン・クサラが猛威を発揮。FFモデルながら4WDのWRカーを抑えて、フィリップ・ブガルスキーがラリー・カタルニア(スペイン)とツール・ド・コルス(フランス)で2連勝を果たしたが、果たして新井×208 Rally4もブガルスキー×クサラのように、下剋上を成し遂げることができるのか? 新井×208 Rally4の挑戦に注目したい。

 なお、ツール・ド・九州では、シュコダ・ファビアR5を駆るヘイッキ・コバライネンが2連勝を達成。トヨタGRヤリスRally2を駆る勝田範彦が2位入賞を果たしており、GRヤリスRally2で初の表彰台を獲得している。

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みんなのコメント

19件
  • 路面状況が良ければ4WDターボ相手でもFFで勝負になる
    かつてプジョーがそんなこと言ってたな
  • 車も良いのでしょうが、やはり新井選手のスキルあってこそですよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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